Joseph Beuys – ヨセフ・ボイスについて

ヨセフ・ボイス

ヨセフ・ボイス

日本でドイツの環境政策への関心はやっぱり大きいようです。5月22日に開催された一宮国際交流会のドイツセミナーの“序曲”でも、このテーマが話題になりました。それゆえに、今月のニュースレッターのテーマとしてまた環境保護について書きたいと思っています - が、今回は少し意外な面からこのテーマに近づこうと思います。
 環境保護を1970年代から問題化し、ドイツの大衆政党の政策プログラムに強い影響を与えた“緑の党”(Die Grünen)はご存知の方が数多くいらっしゃると思います。
 今回は、この“緑の党”そのものではなく、この政党の創立委員の一人、批判的アクション芸術家・パフォーマンスアーティストのヨセフ・ボイス(Joseph Beuys)を紹介したいと思います。
ヨセフ・ボイスは1921年クレーフェルト生まれ、1986年にデュッセルドルフで死去。残念ながら、私は出会ったことがありませんが、幸運なことに、彼の生徒に美術について教えてもらう機会がありました。ボイスは「ドイツのアンディ・ウォーホール」だといえますが、ボイスのアートは簡単に説明できませんが、“変化・変身”は彼の芸術の一番大切な要素だそうです。ボイスのアート、インスタレーションまた、政治・社会活動は彼の持った広く完全な人智学的な芸術概念という「社会の彫刻」の表現だといえます。「社会の彫刻」の意味は、芸術は造形力のあるエネルギーによって、社会を変えることができるということです。ボイスの政治活動の目標は、教育政治の変化、直接的な民主主義と環境保護でした。たとえば、森林の維持の緊要を強調するため、1982年のドクメンタ(現代美術の展)で「7000本のオーク:町の管理のかわりに町の造林」というスロガンのアート・イベントを行いました。その上、1979年に緑の党の前身である“緑のリスト”の候補者として欧州連合議会選挙に出馬し、1980年の“緑の党”の創立大会に参加し、緑の党の色々なポスター作ったり、キャンペーン活動を行ったりしました。このような活動を行ったのですが、政党の中では彼の主張が全て受け入られたわけではありませんでした。彼の晩年は、個人の社会活動組織のためのたくさんの展示会などで忙しく過ごしました。現在も、彼の生徒たちはボイスの意思を引き継ぎ、活動を続けています。
 芸術と学問と政治は結びついていることを皆に示して、考えさせたボイスは、20世紀の最も著名な芸術家の一人といえうるでしょう。1984年には、彼自身が東京に来て、2005年には「日本におけるドイツ年」に関連してボイス展示会が日本で開かれました。

- ビョ-ン

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1件のフィードバック to “Joseph Beuys – ヨセフ・ボイスについて”

  1. naomichi.sana Says:

    芸術家は後世に何かを残すことが出来羨ましいですね。確かに芸術は、芸術を見る目を通して沢山の人々に社会的影響を与え続けられ素晴らしい。その芸術のエネルギーの大きさにより、計り知れない影響をあたえます。私に芸術センスがあれば、何かを訴えることが出来るのに。

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